この記事では、演算子を使った計算やデータの入出力方法、ヘルプの見方など、Rの基本操作について解説しています。
基本計算
Rは、簡単な計算を行うための強力なツールです。
ここでは、基本的な演算子を使って、四則計算や代入、関数計算の方法を解説します。
演算子
演算子には、算術演算子、代入演算子、論理演算子があります。
それぞれの演算子の一例を以下の表に示します。
算術演算子一例
演算子 | 説明 | 例 | 結果 |
---|---|---|---|
+ | 加算 | 3 + 2 | 5 |
- | 減算 | 5 - 1 | 4 |
* | 乗算 | 4 * 2 | 8 |
/ | 除算 | 8 / 2 | 4 |
^ | 累乗 | 3 ^ 2 | 9 |
%% | 剰余 | 5 %% 2 | 1 |
代入演算子一例
演算子 | 説明 | 例 |
---|---|---|
<- | 代入 | x <- 5 |
= | 代入 | y = 10 |
論理演算子一例
演算子 | 説明 | 例 | 結果 |
---|---|---|---|
== | 等しい | 3 == 3 | TRUE |
!= | 等しくない | 3 != 4 | TRUE |
> | 大きい | 5 > 3 | TRUE |
< | 小さい | 3 < 5 | TRUE |
>= | 大きいか等しい | 5 >= 3 | TRUE |
<= | 小さいか等しい | 3 <= 5 | TRUE |
& | AND | TRUE & TRUE | TRUE |
| | OR | TRUE | FALSE | TRUE |
四則計算
四則計算は、足し算、引き算、掛け算、割り算の基本操作です。
以下はRを使った簡単な四則計算のサンプルコードです。
# 四則計算のサンプルコード
a <- 10
b <- 5
# 足し算
sum <- a + b
sum
# 引き算
difference <- a - b
difference
# 掛け算
product <- a * b
product
# 割り算
quotient <- a / b
quotient
このコードを実行すると、以下の結果が得られます。
[1] 15 # 足し算の結果
[1] 5 # 引き算の結果
[1] 50 # 掛け算の結果
[1] 2 # 割り算の結果
代入
Rでは、値を変数に代入して保存することができます。
代入演算子を使って変数に値を割り当てる方法を以下に示します。
# 変数への代入
x <- 42 # xに42を代入
y = 24 # yに24を代入
# 代入した変数の表示
x
y
このコードを実行すると、以下の結果が得られます。
[1] 42 # x
[1] 24 # y
関数計算
Rには多くの組み込み関数があり、これらを利用することで効率的に作業を行うことができます。
関数の基本構造は以下のようになります。
関数名(引数1, 引数2,...)
関数名の後ろには括弧がついています。その中に、関数ごとに必要な値「引数」を入れていきます。
データの入力
Rでデータを入力する方法には、直接入力、データフレームの作成、CSVファイルからの読み込みがあります。
直接入力
Rでは、c()
関数を使ってデータを直接入力することができます。
# データを直接入力
草丈 <- c(10, 20, 15, 18, 22)
節数 <- c(5, 7, 6, 8, 9)
このコードを実行すると、以下のように草丈と節数のデータが入力されます。
# 草丈のデータ
[1] 10 20 15 18 22
# 節数のデータ
[1] 5 7 6 8 9
データフレームによる入力
データフレームは、行と列で構成された表形式のデータを扱うためのオブジェクトです。
次のコードでは草丈と節数のデータをデータフレームに格納しています。
# データフレームの作成
data <- data.frame(草丈, 節数)
data
このコードを実行すると、以下のようなデータフレームが作成されます。
草丈 節数
1 10 5
2 20 7
3 15 6
4 18 8
5 22 9
データの要素にアクセス
データフレームの要素にアクセスする方法をいくつか示します。
# 草丈の列にアクセス
data$草丈
# 1列目にアクセス
data[1]
# 1行目にアクセス
data[1,]
# 1列目のベクトルにアクセス
data[,1]
# 1行1列の要素にアクセス
data[1,1]
データの要素追加
データフレームに新しい列を追加することもできます。
# 新しい列を追加
data$葉枚数 <- c(3, 4, 3, 5, 4)
data
このコードを実行すると、以下のようなデータフレームになります。
草丈 節数 葉枚数
1 10 5 3
2 20 7 4
3 15 6 3
4 18 8 5
5 22 9 4
CSVファイルから読み込み
CSVファイルは、カンマ区切りのテキストファイルで、Rではread.csv()
関数を使って読み込むことができます。
CSVファイルの入力方法と注意点はこちらで紹介しています。
パスを指定する方法
CSVファイルを読み込む際、ファイルのパスを指定する方法があります。
# Windowsの場合
data <- read.csv("C:/path/to/your/file.csv")
# macOSの場合
data <- read.csv("/Users/yourusername/path/to/your/file.csv")
# URLの場合
data <- read.csv("http://example.com/your/file.csv")
ファイル選択画面から読み込む方法
ファイル選択画面を使ってCSVファイルを読み込むこともできます。
# ファイル選択画面からCSVファイルを読み込み
data <- read.csv(file.choose())
データの書き出し
Rで処理したデータをwrite.csv( )関数でCSVファイルに書き出すこともできます。
# データの書き出し
write.csv(data, "path/to/your/output.csv", row.names = FALSE)
このコードを実行すると、指定したパスにCSVファイルが保存されます。
図の描画
Rでは作図が簡単行うことができます。
今回は標準で入っているplot( )関数を使って散布図を描画します。
# 散布図の描画
plot(data)
次のような図が右下のペインに表示されます。
保存するときはPlotsペインの「Export」から「Save as Image...」または「Save as PDF...」で保存することができます。
Macの場合、次のコードを使うとPDF形式で保存することができます。
# 図の保存方法
par(family = "HiraKakuProN-W6") # フォントの指定
cairo_pdf(file = "~/Downloads/plot.pdf",
family = "HiraKakuProN-W6",
width = 5,
height = 5,
pointsize = 10)
print(plot(data))
dev.off()
ヘルプと終了
Rには、関数やパッケージに関するヘルプが充実しています。
また、作業を終了する際には特定のコマンドを使います。
# ヘルプの表示
help(sum) # sum関数のヘルプを表示
# Rの終了
q() # Rを終了
このコードを実行すると、ヘルプペイン(右下)にsum関数の詳細な説明が表示されます。
また、q()
を実行すると、Rの作業が終了し、ウィンドウが閉じます。
この記事ではRの基本操作について解説しました。
次回は、データの入力について紹介します。
この記事が少しでもお役に立てたら嬉しいです。