Wilcoxonテストは、非正規分布のデータに対して使用される非パラメトリック検定です。rstatix
パッケージを使うことで、Wilcoxonテストを簡単に実行することができます。
本記事では、rstatix
パッケージのwilcox_test
関数の使い方を紹介します。
Wilcoxonテストとは?
Wilcoxonテストは、2つの独立したサンプルまたは1つのペアデータサンプルの中央値を比較するために使用されます。通常のt検定の非パラメトリック版として使用されます。
wilcox_test関数の使い方
wilcox_test
関数は、1つのサンプル、2つの独立したサンプル、または対応のあるサンプルに対して使うことができます。
関数と引数オプション
wilcox_test(
data,
formula,
comparisons = NULL,
ref.group = NULL,
p.adjust.method = "holm",
paired = FALSE,
exact = NULL,
alternative = "two.sided",
mu = 0,
conf.level = 0.95,
detailed = FALSE
)
- data: 数式内の変数を含むデータフレーム。
- formula:
x ~ group
の形式の数式。xは数値変数、groupは1つまたは複数のレベルを持つファクター。 - comparisons: 比較するグループを指定する長さ2のベクトルのリスト。例:
comparisons = list(c("A", "B"), c("B", "C"))
- ref.group: 参照グループを指定する文字列。
- p.adjust.method: 複数比較のp値調整方法。例: "holm", "bonferroni", "BH"など。
- paired: 対応のある検定を行うかどうかの論理値。
- exact: 正確なp値を計算するかどうかの論理値。
- alternative: 対立仮説を指定する文字列。例: "two.sided", "greater", "less"。
- mu: 帰無仮説の中央値を指定する数値。
- conf.level: 信頼区間の信頼水準を指定する数値。
- detailed: 詳細な結果を表示するかどうかの論理値。
コード例と結果の見方
wilcox_test
関数は、1つのサンプル、2つの独立したサンプル、または対応のあるサンプルに対してWilcoxonテストを行います。以下はその基本的な使用方法です。
# データフレームを作成
data <- data.frame(
group = c(rep("group1", 5), rep("group2", 5)),
value = c(5, 7, 8, 5, 6, 10, 15, 11, 12, 14)
)
# 一標本検定
wilcox_test(data, value ~ 1, mu = 0)
# 二標本検定
wilcox_test(data, value ~ group)
# 二標本検定(対応あり)
wilcox_test(data, value ~ group, paired = TRUE)
# 一標本検定の結果
# A tibble: 1 × 6
.y. group1 group2 n statistic p
* <chr> <chr> <chr> <int> <dbl> <dbl>
1 value 1 null model 10 55 0.00589
# 二標本検定の結果
# A tibble: 1 × 7
.y. group1 group2 n1 n2 statistic p
* <chr> <chr> <chr> <int> <int> <dbl> <dbl>
1 value group1 group2 5 5 0 0.0119
# 二標本検定(対応あり)の結果
# A tibble: 1 × 7
.y. group1 group2 n1 n2 statistic p
* <chr> <chr> <chr> <int> <int> <dbl> <dbl>
1 value group1 group2 5 5 0 0.0579
この記事ではrstatix
パッケージのwilcox_test
関数の使い方を紹介しました。
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