論文や報告書を作成する際、次のようなフォント指定を受けることは珍しくありません。
- 英数字: Times New Roman
- 和文: MS明朝 または MSゴシック
この記事では、Mac上でR Markdownを使い、英数字と和文でフォントを使い分ける方法を解説します。
使用環境
項目 | 内容 |
---|---|
OS | macOS |
出力形式 | |
LaTeXエンジン | XeLaTeX |
エディタ | RStudio |
使用フォント | Times New Roman・MS明朝・MSゴシック |
この記事では、Microsoft Officeが既にインストールされている環境を想定しています。
MSフォントをMacに導入する
macOSにはMSフォントが標準で含まれていないため、Microsoft Office に含まれるフォントを次の手順で移植します。
- Finderを開き、次のフォルダを開きます
- アプリケーション → Microsoft Office Word
- 右クリックでshow package contents
- Contents → Resources → Fonts
- msmincho.ttf, msgothic.ttf などのファイルを選択
- フォントブックにドラッグ&ドロップしてインストール
これで、macOS上でも MSフォントが利用できるようになります。
R Markdownでフォントを指定する
R MarkdownでPDF出力時にフォントを指定するには、YAMLヘッダー の header-includes に直接記述するか、あるいは別途用意した preamble.tex に設定を記述して読み込ませます。
フォント名を指定する際には、Macのフォントブックで確認できる「PostScript Name」を正確に記載する必要があります。
- フォントブックを開く
- 対象フォントを選択
- メニューから「情報を表示」を選ぶ(⌘+I)
- 表示される情報欄の「PostScript 名」を確認
たとえば、私の環境ではTimes New Roman の PostScript Name は "Times New Roman"、MS明朝の場合は "MS-Mincho" でした。
この名称を用いて、以下のように指定します。
---
output:
pdf_document:
latex_engine: xelatex
header-includes:
- \setmainfont{Times New Roman}
- \usepackage{xeCJK}
- \setCJKmainfont{MS-Mincho}[AutoFakeBold=2.5,AutoFakeSlant=.3]
- \setCJKsansfont{MS-Gothic}[AutoFakeBold=2.5,AutoFakeSlant=.3]
---
xeCJKパッケージを使うことで、英数字と日本語のフォントを個別に指定できます。
コマンド | 説明 |
---|---|
\setmainfont{Times New Roman} | 本文や数式の英数字をTimes New Romanに設定 |
\setCJKmainfont{MS-Mincho} | 日本語本文をMS明朝で表示 |
\setCJKsansfont{MS-Gothic} | 見出しや強調部分をMSゴシックで表示 |
MSフォントには Regular(標準) しか存在せず、太字や斜体のスタイルが用意されていません。そこで、XeLaTeXのオプションを使って擬似的に再現します。
オプション | 説明 |
---|---|
AutoFakeBold=2.5 | 線の太さを2.5倍にしてボールドを再現 |
AutoFakeSlant=.3 | 文字を右に0.3傾けて斜体を再現 |
これらを設定することで、Office文書と同等の太字・斜体表現を再現できます。
まとめ
macOSでも、Officeからフォントを移植しXeLaTeXを活用すれば、Rmarkdownでも英数字と和文をWindowsと同じ体裁で使い分けることが可能です。
少しニッチな内容ではありますが、どなたかの研究や制作の一助になれば幸いです。

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